2023.02.10

研究者個人HP作成をプロに頼むお値段以上のメリット

はじめに

 研究者が個人HPを作成する意義について、以下の記事で書かせていただきました。

 個人HPを作成するにあたり、プロの手を借りるか、自分でつくるか、悩むところだと思います。

私の場合、IT関係はもちろん、デザインも全く自信がないので、最初からプロの手を借りることしか考えていませんでした。

 実際にプロにお願いして、自分が求めていたことはもちろん、お値段以上のたくさんのメリットがありました。ご自身で作れる方はそれもいいかもしれませんが、やはりプロにお願いすることで、作成作業以外の点でも多くのメリットを感じました。そこで、研究者個人HPの作成過程をたどりながら、お値段以上のメリットをお伝えしたいと思います。

 なお、今回のHP作成でお願いしたプロは、ウェブデザイナーさんだけではなく、計4ジャンルのプロにお願いしました。

ステップ➀ 業者の選定

 2022年の目標の一つがHPをつくることだったので、年始から作成方法や業者を調べ始めました。当初、研究室のHPをつくることを検討していたので、外枠をつくっていただき、中身は自分で入力していくタイプを選びました。
 ですが、その作業しているうちに、研究者個人の活動をトータルで伝える必要性を強く感じたのです。さんざん悩んだ結果、研究室のHPと研究者個人のHPを分けて作成する方針に切り替えました。


 研究者個人のHPの必要性を強く感じたのが、2022年夏。その時に、沖縄県のITスクールやんばるエキスパートの代表取締役社長である神里亮人さんとオンラインでお話する機会がありました。その終わり際に、HPをつくりたいと思っていることをお話したら、「うちでもできますよ」と言っていただいたのです。

 神里さんからすぐにウェブデザイナーさんをご紹介いただき、さっそく打ち合わせをしました。そのデザイナーさんとは、やんばるエキスパートで講師もされている、株式会社MistGreen代表取締役社長の大竹悠介さんです。

 私の場合、当初研究室用のHPの業者さんを探しておりましたが、途中で個人HPもつくる方針に変えたことで、新たに業者さんを探すことになりました。その折、偶然の出会いがありました。偶然の出会いを大事にして、身を任せるのもいいかもしれません。

ステップ➁ デザイナーさんとの打ち合わせ

 ウェブデザイナーの大竹さんは、打ち合わせを頻回にしてくださるスタンス。私にとっては、この進め方が非常にやりやすかったです。打ち合わせでは丁寧にヒアリングをしてくださり、あまり世に存在しない研究者個人としてのHPが、他のどの職業の方のHPに近いイメージや使用感なのか、手分けして調べました。
 大竹さんとの打ち合わせを重ねる中で、どんなHPが自分が目指すものなのか、だんだん固まっていった感じです。その過程でよく覗いていたのが、俳優、モデル、パーソナルトレーナー、作家など、個人でお仕事をされている方のHPでした。なるべくジャンルにとらわれないように、幅広く見るようにしていました。

 大竹さんは、とにかくお仕事が丁寧で、ウェブ界隈の知識がほぼゼロの私に対し、どんな些細なことでも、わかるまで丁寧に説明してくださいました。私自身も、研究者に多い「気になったことは徹底してこだわる」という性質を持ち合わせているので、その特性にもお付き合いいただき、感謝しかありません。

 この何度もしていただいた打ち合わせが、何よりもお値段以上の価値がありました。自分が示したい情報の出し方も、研究者の目線だけでは分かりづらさがありますが、デザイナーさんがユーザー目線を常に提示してくださるので、独りよがりになったり、研究界隈にしか通じないような構成にならなくて済むからです。この徹底したユーザー目線が研究者には欠けがちなので、業者さんにお願いすることはとても大事なことだと思います。

ステップ③:写真撮影

 研究者の個人HPを作る際、➀研究内容、➁研究者 のどちらを前面に出すのかを問われました。当初➀の研究内容にするつもりでいたのですが、研究者ではない知人らに聞いたところ、➁を強く薦められ、途中で➁研究者、つまり自分をある程度前面に出す方針に変えました。

 当初、デザイナーさんが持っている素材を使うつもりでしたが、➁に変更したことで、自分の写真を撮る必要性が生じました。写真の納期も迫っていましたが、自撮りというわけにはいかず、悩んでいたところに知ったのが、イメージコンサルタントの水野由紀子さんと、スタイリストの八谷さとこさんがユニットで展開しているアルモニさんの「プロフィール撮影同行サービス」でした。

 

 打ち合わせでは、八谷さん・水野さんと、HPのコンセプトや私自身のことをお伝えしながら、HPを通じて何を世に伝えたいのかを話しました。打ち合わせの中で、研究している様子の写真があったらいいのでは?というアイデアが出て、研究の史料、道具、資料を見ながら論文を書いている様子、資料の写真撮影をしている姿の写真などを撮ることになりました。

研究の史料を撮影している姿(本ブログトップページの写真)

 

撮影風景。衣装を直してもらいつつ、普段通りの研究モード

 

 カメラマンは、矢部ひとみさん。温かみのある美しい写真を撮ってくださるカメラマンさんです。ウェブデザイナーの大竹さんが、「こんなきれいなHP用の写真は、今まで扱ったことがなくて、使いやすいです」と絶賛していたほどです。

 アルモニさんのサービスでは、撮影した写真を基に、コンセプトブックを作ってくださいます。写真、色使い、キーワードでクライアントのイメージを形にしてくれます。このコンセプトブックもHP作りに大変役立ちました。ここでも、多くのユーザー目線の視座を得ることができたのが大きな収穫でした。特に、サイトのメインカラーを決めるのに非常に迷ってしまいましたが、「色」に詳しい水野さんのアドバイスで、テーマカラーとその彩度まで明確に決めることができました。このような細かい部分でも、専門家ならではの知見を提供していただけるのも魅力です。

 アルモニさんのすごさは、本人や他の方がなかなか気づかない、その人の特徴を「発掘」し前面に出すこと。自分でも気づいていない点がたくさんあって、驚くことばかりでした。

撮影後に皆さんで記念撮影

ステップ④:HPのリリースとその後

 2022年11月に無事リリースすることができましたが、ウェブサイトは不具合が起こることは避けられません。サイトの所有者である自分のところにも時折エラーメッセージがきますが、自分ではどう対応したらいいのかわからないですし、調べて対応するとしても、正しく対応できている自信が全くありません。そこでウェブ周りのプロであるデザイナーさんにたくさんフォローしていただきました。アフターフォローという意味でも、プロにお願いするのは本当に心強いです。

 研究者個人HPの作成にあたり、計4ジャンルのプロにお願いしました。HP作成上大変有益だったことはもちろんですが、一番のお値段以上の価値は、なんといっても全く別の業界の方とご縁をいただけたことです。

 顧客の立場になることで、研究界隈では出会えない、素晴らしい才能があるビジネスパートナーのような存在を得られること。これがお値段以上の価値だと思います。かけられる予算の範囲内で、一部でもプロにお願いするのは、本当にお薦めです。

 

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