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はじめに
このたび、保護者の立場で高校受験を経験しました。教育学の専門家として知っていることはありましたが、保護者としての動きは、中学校や受験する高校の情報を得ないと分からないことばかりな上に、五月雨式にお知らせをもらうという状況でした。
その結果、比較的直前にならないと分からないことや、急にやらないければならないことも多く、見通しをもって対応することが難しかったです。仕事を持つ身としては、非常にやりにくかったです。
インターネット等で昨年の動きを確認しても、受験生や学校(先生方)の動きはわかっても、保護者の動きが分かる情報はなかなか得られませんでした。教育学の専門家の立場でこのような状況なので、多くの保護者が余裕をもって情報を得る機会は、兄弟が最近受験したご家庭、保護者同士のつながりで知人に聞いて確認するなど、限られていると思います。
そこで、保護者の立場から、高校受験の忘備録を書いておきたいと思います。なお、高校受験は都道府県によって大きく異なるため、埼玉県の令和5(2023)年度入試に限定して書きたいと思います。
高校受験は「都道府県によって大きく異なる」と知る
公立高校および私立高校は、その学校が所在する各都道府県の教育委員会が管轄しています。よって、都道府県単位で動きや入試制度が大きく異なります(注1)。
受験をする自治体(通常は在住の都道府県)以外の高校入試制度について、当該受験生だけでなく、進路指導をする中学校の教員が調べることはまずありません。複数の都道府県の高校が受験できるようなところ以外は、一つの都道府県の入試制度しか知らなくても不思議ではありません。よって、そもそも都道府県によって大きく異なる認識が希薄です。
余談とはなりますが、高校入試制度の都道府県による違いを強く認識したのは、教育原理や教育制度の授業でのグループワークでした。大学生ならではの全国から集まっているという状況を生かし、自分が体験した高校入試制度について事前に調べてきてもらい、授業でお互いに紹介しあってもらいました。
すると、「えーーー」という声が教室のあちこちから頻発するのです。話した本人たちも、「これが当たり前だったから、そんなに驚かれるとは思わなかった」という感想を言っていました。
保護者の中には、お子様が受験をする都道府県のことをよく存じない方も少なからずいらっしゃると思います。また、お子様と同じ都道府県だったとしても、制度や動きは時期によっても大きく変わっているのです。数年単位で変わることもあるので、ご自身の経験をそのままお子様に当てはめるのは危険です。
なお、我が家の場合、親子で同じ都道府県の公立高校を受験しました。もっと言ってしまえば、親子で同じ高校を受験しています。制度は大きく変わっており、親の頃は推薦入試があったのに対し、子どもの時はなくなっていました。
公立第1志望・私立併願の場合
高校受験の準備は、中2くらいからのご家庭も多いかと思いますが、保護者が本格的に動くのは、受験の1年前からではないでしょうか。よって、中2の3月からの動きを紹介します。
埼玉県の場合、公立高校が第1志望の場合は、私立高校を併願する場合が圧倒的に多いです。併願推薦で受験する場合、その判定基準の一つである北辰テストという模試を複数回受験して受験に臨む生徒が多いです。ここでは、我が家の受験に関するイベントを、わかる範囲で日にちまで書いておきます。
- 2022年2月19日 北辰テスト(注2)マイページ登録。北辰テスト中2第2回申し込み
- 3月3日(木)北辰テスト過去問題購入
- 3月6日(日)北辰テスト中2第2回 ※初めてのため、会場まで付き添う
- 3月24日(木)北辰テスト中3第1回申し込み
- 4月24日(日)北辰テスト中3第1回受験
- 6月21日(火)A高校(公立)説明会の予約 ※ちょうど1か月前に予約開始
- 6月26日(日)北辰テスト申し込み
- 7月17日(日) 北辰テスト第3回
- 7月21日(木)A高校(公立)学校説明会(保護者・生徒)※夏休み初日
- 同日 部活動体験会の予約 ※ちょうど1か月前に予約開始
- 7月25日(月)3者面談
- 8月4日(日)北辰テスト第4回
- 8月22日(月)A高校(公立)部活動体験会(生徒のみ)
- 9月9日(金)B高校(公立)学校説明会申し込み ※抽選あり
- 9月11日(日)北辰テスト第5回申し込み
- 9月16日(金)B高校(公立)学校説明会 抽選発表
- 9月22日(木)C高校(私立)システム登録
- 10月2日(日)北辰テスト第5回
- 10月9日(日)B高校(公立)学校説明会・授業体験会
- 同日 北辰テスト申し込み
- 10月15日(土)C高校(私立)個別相談 ※説明会はオンライン参加
- 10月29日(土)中学校で進路保護者説明会
- 11月6日(日)北辰テスト第6回
- 11月10日(木)3者面談 ➡併願校の確認
- 11月18日(金)北辰テスト第7回申し込み
- 12月4日(日)北辰テスト第7回
- 12月9日(金)3者面談 ➡併願校確定、公立受験校ほぼ決定
- 12月23日(金)調査書確認(注3)
- 12月26日(月)午前 私立用調査書受取(中学校。本人)
- 12月26日(月)C高校(私立)出願(インターネット)
- 12月27日(火)C高校出願(調査書等の郵送)
- 2023年1月8日(日)埼玉新聞模試
- 1月22日(日)C高校(私立)受験日
- 1月25日(水)C高校(私立) 合否発表
- 1月26日(木)C高校延納手続き(~30日)
- 1月30日まで 収入証紙(受検料)、切手購入
- 2月22日(水)公立高校入試当日
- 3月3日(金)9:00 公立高校合否発表(HP)
- 同日 10:00~16:00 合格者書類受取(本人)
- 3月3日(金)~13日(月)制服採寸 ➡3月5日に実施
- 3月3日(金)~10日(金)必着 銀行口座の書類他提出 ➡3月6日に完了
- 3月20日(月)入学予定者説明会(保護者・本人) ※午前中は教科書・教材等の販売
受験校の数と学校説明会参加の考え方
我が家の場合、公立高校第1志望で、私立高校は併願推薦を利用、1校のみ受験しました。第1志望の高校は、小学校の時から何となく行きたいと思っており、中3の夏の学校説明会に行って気持ちが固まりました。ですが、成績が基準に達する自信がなかったので、第1志望校を含めて2校の学校説明会に参加しました。その際、比較するため、親の提案で普通科と商業科を見学しました。商業科の授業を体験し、本人はあまり興味が持てなかったので、私立も効率も普通科のみ受験すると判断できました。
また、コロナ禍だったので、学校説明会が抽選の学校がありました(B高校)。感染状況によっても左右されるので、高校のHPでよく確認したほうがいいと思います。〆切がタイトな場合があるので、学校説明会の1か月程度前には、当該高校のHPをチェックした方がいいと思います。
私立高校で併願推薦を取りたい場合、学校説明会に参加したかどうか確認されることがあります。子どもが受験したC高校は、オンライン(動画視聴)と対面で実施で、どちらかに必ず出席する必要がありました。その学校は、一度北辰テストの会場になったことがあり、学校自体には行ったことがあったので、本人と確認してオンラインにしました。
公立高校第1志望で私立高校を複数受ける選択をする方もいると思いますが、公立高校入試のちょうど1ヶ月前という時期に私立の受験が多くなると、単純に考えて公立高校の受験準備の時間が減ります。どちらに進学したいか迷っている場合などはいくつか受けるのも良いと思いますが、併願推薦が取れていて、公立高校が第1志望であれば、ある程度受験回数を絞るのも戦略だと思いました。
我が家の場合、本人の強い希望で私立は1校でいいと言ったので、1校のみ受験しました。その代わり、確実性を考え、併願推薦が取れたコースより1ランク下げて受験しました。今から思えば下げなくてもよかったと思いますが、本人の考えを尊重しました。
おわりに
中3の1年間の動きを振り返ってみましたが、保護者のやることは少なくありません。中3とは言え、子どもだけではできないこと・保護者が必ずしなければならないこと、保護者の確認が必要なことも非常に多いです。
学校からの情報はその都度が多く、年間スケジュールなどには書かれていません。子どもが通っていた公立中学校では、10月下旬の学校での進路説明会で、入試に関する詳しい動きの説明がありました。併願推薦の個別相談などは、10月下旬に知っても遅いこともあるので、心配な方は、1学期の面談時に中学校に確認するといいかもしれませんね。
学校見学や部活動見学は、無制限に受け入れているわけではありません。情報が出たその日のうちに予約が埋まってしまうこともあり得ます。情報が出たら、なるべく早く予約することをお勧めします。
また、夏休みには、どこか1つくらいは見に行くつもりでいると良いと思います。
注1:市町村立高校の場合は、市町村の教育委員会の管轄ですが、概ね所在する都道府県の制度と一緒です。
注2:埼玉県で長年実施している模擬試験。
注3:調査書の記入に誤りがないか、再確認。