2023.08.23

週7部活女子が国立大に一発合格した方法(1)普段編

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はじめに

 これは今から約30年前の実話です。

 私は高校3年間運動部に所属し、高3の6月に引退するまで部活に明け暮れていました。通っていた高校(公立)は部活がさかんで、関東大会以上に行くのは当たり前という環境でした。

 自分の部活は、練習は週6日(当時は土曜は毎週授業)、日曜日は試合や段審査などがあるため、ほぼ毎日部活。当然勉強に費やせた時間はかなり少なかったです。

 こんな高校生活を送っていた私ですが、ラッキーなことに国立大学に現役合格することができました。こう書くと聞こえがいいですが、国立大学しか受験が許されていなかったので、大学に行きたければやるしかなかったのです。

 それでは、週7部活女子がどうやって国立大学現役一発合格を勝ち取れたのでしょうか。➀体験者、➁元高校教員、➂大学教員・研究者 の3つの視点から分析したいと思います。

過酷な進学条件

 希望に溢れて高校に入学し、楽しい高校生活を送っていたのも束の間、入学早々親から進学の過酷な条件を言い渡されました。その条件とは、以下の4つです。

 ➀国公立大

 ➁現役

 ➂自宅通学

 ④私立大受験禁止

 高1の私には、これがどれだけ厳しい条件か知る由もありませんでした。受験に必要と思われる授業を選び時間割を組みましたが、取りたい授業を取ると、受験に必要な科目が全部取りきれなくなる事態に。

 私立に行くつもりの友人は全く困らずに時間割を組んでいるのを見て、初めて国公立に行くのは大変だと気づきました(注1)。

 このように、高1の春から国公立大一択だったので、大学に行きたければ5教科7科目をやるしかなかったのです。今にして思えば、高1の春から覚悟できたのは良かったのかもしれません。

タイパな受験対策とは

 いくら国公立大しか行けない条件だからといって、高校生活を我慢してまで受験勉強に捧げるつもりは全くありませんでした。本気で部活をやりながら、国公立大に現役合格するにはどうすればいいか、自分なりに真剣に考えました。そこで私が気づいた方法は、定期試験に全力を出すです。

 ところで、定期試験に力を入れることで最も恩恵を受けられる入試制度は、私立大学の指定校推薦あるいは学校選抜型入試等です。一般受験ならそこまで力を入れなくていいと思われがちですが、国立大学の入学試験で避けて通れない共通テスト(当時はセンター試験)は、高校の教科書レベルの基本的な問題を中心に出題されます。しかも、部活がハードならまともに勉強できるのは授業中と定期試験前くらい。

 でもよく考えてみてください。授業も定期試験もどうせ誰でも受けるもの。だったらこれを最大限に活用するしかないと考えました。以下、具体的な勉強方法を紹介します。


(1)授業の取り組み方

 真面目に授業に参加して、ノート等を取る以外に、自分が工夫していたのは、

 ➀予習をして授業に参加

 ➁授業中に分からないことをメモ

 ➂授業直後に先生に質問

の3つです。

 ➀の予習をすることで、授業中は自分の理解が正しいかどうか、添削する時間にできます。このやり方は特に英語で有効だったので、英語は必ず予習をして臨んでいました。

 ➁は、授業中に先生の説明を聞いてもよく理解できないことや、すんなり解けない問題があるので、印をつけるようにしました(付箋でOK)。授業中に質問できるときはしていましたが、恥ずかしい方や授業の進みが早い場合は、➂をお勧めします。

 ➂の方法ですが、挨拶が終わって先生が机の周りを片付けている時に必ず行き、1つでも質問していました。時間がない時は質問だけして回答は後日もらったり、昼休みなどに質問しに行くこともありました。

 高校教員になってから思ったのは、休み時間に質問してもらえるのは、試験前にまとめて聞かれるよりずっと良かったです。また、忙しくてできる生徒ほど、この方法で対応していました。

(2)定期試験の勉強方法

 部活をやっていると、家にいられる時間が少ないです。よって、定期試験勉強は、試験1週間前が勝負です。

 今(夏休み中)はまだ1学期分が終わっただけ。特に高1の皆さんは、1学期に思わしくなかったとしても2学期で挽回可能です。これを知った今、ぜひ2学期の中間試験で挽回してくださいね。

 それには、テストの解き直しをお勧めします。一番いいのは、全問正解するまで解くこと。答えを覚えてしまうから意味がないという生徒がいましたが、むしろ覚えるくらいやることが大事です。

 普段部活をやっている時間をすべて勉強の時間に置き換えるという考えです。だいたい部活は6時間目が終わってから30分後くらいに始まると思いますが、私は20分で家に帰れたので、部活の開始時間くらいからやることを心がけていました。

 例えば、16:00~19:00が部活の時間だとしたら、試験前はその時間をすべて勉強に当てます。あとは普段と同じように過ごしたとしても、少なくとも3時間は勉強できるわけです。

 私の場合、実際には部活の時間に加え、寝るまでの間に2時間程度、あるいは1時間やって残りの1時間は翌朝早く起きてやっていました。そうすれば、学校がある日でも5~6時間は確保できます。

 それから、隙間時間の活用です。自転車通学だったので、信号の待ち時間にルーズリーフに書いた単語を見て、次の信号までにいくつ覚えられるかをゲーム感覚でやっていました。

 試験前の日曜日は丸1日勉強できる唯一の日だったので、自分で時間割を作って10時間以上はやっていました(やらないと間に合わないので)。あまり集中力が長く続かない方は、少なくとも学校の授業時間(6時間)+αはできると思います。

おわりに

 週7部活をやって、国公立大学に行くなんて無理と思った方がいるかもしれません。高1の1学期中間試験から定期試験に力を入れれば、部活がハードでも評定平均A(4.3以上)をキープすることは決して難しくありません。

 お読みいただいてお分かりのように、特別なことは一切していません。普段の授業と定期試験をしっかりやるだけです。どうせやらなければならないことなので、周りの人よりちょっとだけ早く始めて本気を出せばいいと思います。

 次回は受験編です。楽しみにしていてくださいね。

注1:通っていた高校は普通科ですが、当時10のコースのようなものから自分の所属を決め、1学年前の段階で選択科目を選び、自分で時間割を組むシステムでした。

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