2022.11.22

公立高校1校しか受験できない生徒が、第一志望校合格のためにできること

はじめに

 公立高校の受験制度は、都道府県によって異なります。公立高校は、2次募集を除き、通常1校(1回)しか受験できない自治体の方が多いと言えます。
 ところで、家庭の事情等で私立高校に行くことはおろか、受験することも許されていない生徒も少なからずいます。かつての私もそうでした。そこで、自分の経験や、教員時代に公立高校1本勝負だった生徒のことを踏まえながら、1校しか受験できなくても志望校に合格できるためにできることをお伝えしたいと思います。

公立高校1校受験なら、長期戦


 1校しか受験できないのであれば、長期戦をお勧めします。そのためには、なるべく早く行きたい高校を決めることです。もし可能なら、小学生のうち、遅くとも中学校に入ってからなるべく早いと良いです。

 私の場合、小学校6年生の時でした。小6の道徳か学活の時間だったと思うのですが、担任の先生が、高校について話してくださったのがきっかけでした。高校がどんなところなのかという話を聞いても、「ふーん」と思っていたのですが、先生が、私たちが住んでいる地域から近い、いくつかの高校(いずれも公立)について話してくれました。

 最初はあまり興味なく聞いていましたが、私の母校(以下、Ⅰ高校)の話になり、思わずのめり込んでしまいました。当時開校したばかり(たぶん3年目くらい)で、学校がめちゃくちゃ広くて、キレイで最新な感じだったのです。

 

 I高校は公立高校ですが、大きな特色がある学校です。私が一番魅力に感じたのは、自分だけの時間割が作れるところでした。

  好きなことが勉強できる、そんな夢のような学校があるんだ!!

  だったら、絶対にこの学校に行きたい!!

  しかも、家から自転車で行ける(らしい)!!

 その授業が終わった瞬間、私、絶対にI高校に行く、入る!!と宣言しました。今にして思えば、無意識に予祝をしていたことになります。

360度見渡す限り田んぼの中にあったⅠ高校(当時)

定期テストの勉強を、試験3週間前からする

 I高校に絶対に行きたい。一方で、自分は勉強が出来ないことは自覚していました。それでも、行きたいという気持ちが勝っていたのか、単に現実が分かっていなかったからなのか、今からやれば、あと3年あるから絶対に大丈夫と信じて疑いませんでした。

 担任の先生や親など周りの人は、絶対に無理だと思っていたと思いますが、私だけは私を信じていたのです。

 憧れの学校ができたことで、自分のなかで勉強する意味(必要性)が分かりました。それは、進路を切り開くためには、勉強が必要ということ。また、憧れの学校だけでなく、「日本語教師」という将来の夢も見つけたところで、I高校ではその夢の実現に近づける学びがたくさんできることもあって、一層勉強する意味が分かるようになっていました。
 

 この頃、勉強すること自体は苦ではなくなっていたので、定期試験の勉強は3週間前から始め、試験1週間前は平日でも8時間勉強することにしました。

(普通はもう少し要領よく出来るので、そんなに時間をかける必要はありませんが、私の場合は、元々勉強が苦手だったので、絶対的な勉強量が必要でした)。

 

 定期試験をしっかり勉強することで、いわゆる内申点を良くしていくことができます。公立高校の入試では、内申点の割合が必ずしも低くない学校や地域があるので、中1の1学期からの積み重ねが重要です。もちろん、高校受験に必要な学力をつけていくうえでも、定期試験の勉強をしっかりやることは近道です。

保護者に私立高校受験を拒否されたときにすること

 そんな私が中3になり、学校の先生からも、受験の手続きの話をされることが多くなりました。当時、私の住んでいた都道府県では、一部の高校に推薦入試がありましたが、公立高校は一度しかチャンスがない自治体が多いと思います。そのため、滑り止めとして私立を受けておく必要があり、家庭で話をして併願先を決めるように言われたのです。

 そこで、家に帰って、親に「(公立高校が第一志望でも)みんな私立を受けるみたいだから、私も受験したいんだけど・・・」と伝えました。しかし、「絶対にダメだ。うちは兄弟が多いんだから、公立高校以外は受験もしてはダメだ」と父に言われてしまいました。

 学校の先生に、私立は1校は受験するように説明されたと伝えても、そんなのダメだ!の一点張り。

 さらに追い打ちをかけるように、父は私に進学してもいい高校の条件を示したのです。

  ・公立高校(私立は絶対ダメ)

  ・家から自転車で通えるところ(電車やバスの定期代は払えない)

  ・公立落ちたら2次募集を受けろ

  ・それでもダメなら就職しろ!中卒なら皿洗いくらいしかできないぞ!

 

 反論しても無意味だということは、娘である私が一番よく分かっています。今の中学生が聞いたらあまりの理不尽さに倒れてしまうかも知れませんが、当時は受け入れるしかありませんでした。

 子どもの立場では、親から出された条件を守らざるを得ないと思います。そこでまずしてほしいのは、➀保護者の示している条件を細かく確認し、➁担任の先生に相談することです。

 親も良くわかっていないことが多いので、なぜそのような条件を出しているのかを聞き、担任の先生に、公立1校しか受験させてもらえない状況であることを、できるだけ早く相談することをお勧めします。

保護者の条件に沿いつつも、自分の志望に合致した公立高校を選ぶ

 

 私の場合、学校に提出する進路希望の調査は、私立の併願の欄は「なし」で出しました。

 先生に「どういうこと?」と聞かれ、父親に言われた条件を伝えました。先生は全然動じていない感じでした(おそらく、先生が家に連絡して確認してくれたのでしょう)。

 当時の私は、父の言うことを真に受けてしまい、I高校に合格するか、高校自体に行けないかの2択しかないと思ってしまったのです。

 高校進学は、多くの子どもにとって、自分で自分の道を切り開く最初の一歩。その一歩がこんなに厳しいものだとは・・・と。その厳しさをひしひしと感じたのを、今でも鮮明に覚えています。

 結果的に、第一志望のI高校に合格することができたので本当に良かったのですが、保護者が正確な情報を知らないがために、子どもに過度にプレッシャーがかかってしまうことがあります。中学生本人であれば、ぜひ早めに学校の先生に相談してみるといいと思います。先生から保護者に説明してくださることも多いので、我慢しないことが大事です。

 

追記:授業料の減免制度などもあり、都道府県によっては、公立高校を複数回受験または隣接する他都府県の学校を受験できる場合もあります。

 中高教員をしていた時、生徒から不安だと相談を受けた際は、本人に確認して、3者面談か保護者面談をしていました。現在は保護者の立場ですが、必要に応じて先生が面談をしてくださるので、保護者または本人から定期的な面談期間以外でもお願いしてもいいと思っています。

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