2023.10.02

大人の「恐れの選択」が、子どもを生きづらくしているしくみ

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はじめに

 「恐れの選択」と「愛の選択」という言葉をご存じでしょうか。

恐れの選択とは、

これをしないと、誰かに馬鹿にされる

これを選択しないと競争に負ける

これが世の中の常識である

このように、自分ではなく自分外の世界の基準で選択することです。

その逆の考えが、「愛の選択」です。

愛の選択とは

まさに、自分が好きだと思えること

得意で、いくらやっていても飽きない、疲れないこと。

自分がこのような未来を作りたい

など、

自分の真の欲求に沿った選択と決定です。

出典:https://aki-takahashi.mykajabi.com/blog/2-03605ff5-ac40-4a7d-ac25-2f932391cc47

 

 日頃大学生から、高校生の時に納得して進路を決められなくて後悔している話をたくさん聞きます。よく話を聞くと、大人の「恐れの選択」によって決めているからだと感じました。

 そこで、大学生が自分の選択を後悔しがちなしくみを解説したいと思います。また大学生になってから後悔するのではなく、高校生のうちに解消するにはどうしたらいいかをお伝えしたいと思います。

「恐れの選択」をする大人

 高校卒業後の進路を決める際、大人の判断基準を採用する高校生が多いと思います。その主な大人とは、親や教員ではないでしょうか。

 高校に入学するまでは、ほとんどの人が高校に進学するという選択をするので、大人も子どもも大きく迷うことはありません。しかし、高校卒業時には社会に出る、あるいはその最終段階を選択することになるので、将来が決めきれていない状態で自分を信じて判断することが難しいのです。そこで、高校生は、身近な人生の先輩である親や教員に頼りがちです。

 身近な大人は、大切に思っているがゆえに子どもの身を強く案じます。案じるがゆえに恐れが増し、ベストやベターな選択ではなく、無難な選択をさせてしまうのです。

 つまり、本人の真の欲求に沿ったものではなく、恐れの感情から、他者から見てあるいは多くの人にとって無難な選択をすることが、「恐れの選択」だと考えています。

 たとえば、ある程度のレベルの大学に進学しないと、経営が安定した企業に就職できなくなるという恐れを抱いている教員が、「偏差値が○○以上の△△大学を受験する」選択を子どもにさせることが「恐れの選択」です。

子どもが、親が希望する大学に行くことを望んでいないのに、その大学に合格することを求められたら、子どもにとって辛いということは想像に難くありません。

大人の「恐れの選択」で選んでしまう子ども

 一方で、大人の「恐れの選択」を基準に、子ども自ら本心ではないことを選択してしまう場合があります。高校生ともなれば、自分のことはある程度判断できるはずなのに、進路のことになると、「恐れの選択」、しかも自分ではなく大人の「恐れの選択」を基準にしてしまいがちです。それはどうしででしょうか。

 まず、子ども自身の未知・未経験に対する自信のなさが考えられます。高校卒業後のことは未経験なので、経験している人の考えに従った方が無難だと考えるのです。これはまさに高校生自ら「恐れの選択」をしていることになります。

 ほかには、恐れの選択を勧める身近な大人が、子どもによかれと思って言ってくれていると感じることが考えられます。その思いが背後にあるからこそ、自分にとって正解ではないとしても、選んでしまいがちです。

 たとえば、子どもは教員になりたいわけではないのに、親が教員免許を取れる大学のほうが就職の選択肢が広がって安心だと考え、国立大学の教育学部に進学することを勧め、子どもがその大学・学部に進学することが考えられます。

「恐れの選択」ではなく「愛の選択」を

 「恐れの選択」によって進路を選んだことを、高校卒業後に悔やんでいるケースをたくさん耳にします。大学生の場合、いわゆる不本意入学の理由が「恐れの選択」によるものが多いと実感しています。

 たとえば、高校の時点では親や教員の言うことを聞いた方がいいと思って選んだけれど、やはりやりたいことではないので、勉強のやる気が起きないというものです。これが深刻化すると、大学生でも不登校になり、単位が取得できず退学せざるを得なくなることがあります。

 高校生にとって、高校卒業後のことは経験がないので、自分の選択に自信が持てないと思います。ですが、自分の人生を生きるには、自分で考え、判断し、選択する必要があるのです。大人の「恐れの選択」に従うなど他人に選択を委ねると、常に他人の考えに従うことになり、結果的に自分が苦しくなってしまいます。

 自分で考え、判断し、選択して失敗したら一貫の終わりかもしれないと思ってしまう気持ちはわからなくはありません。でも、それが必ずしも失敗とは限りません。仮に失敗だとしても、その先にやり直すことは可能です。

 他人の「恐れの選択」に従った結果うまくいかなかったら、その他人を恨むことになります。それが自分の場合、自信がなくなるのです。それが怖いので、「恐れの選択」に逃げがちなのかもしれません。いずれにしても「恐れの選択」をすることにメリットはありません。

 だからこそ、真の欲求に沿った選択、つまり「愛の選択」が必要なのです。「愛の選択」によって選んだ進路で仮にうまくいかなかったとしても、自分が自分の望みを叶えられたことで、自分に自信が持てるようになります。

 また、大人が子どもに「愛の選択」をすることを認めてあげると、その子どもは「愛の選択」をさせてくれた大人に対し、感謝の気持ちを抱くものです。その結果、親子関係や教員との関係が良好になる可能性が高いです。

 進路は、「恐れの選択」ではなく、「愛の選択」でしたいものですね。

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