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はじめに
前回の記事では、大学附属の中高一貫校に通う高3生が内部進学から一転して、他大学の総合型選抜(旧AO入試)にチャレンジする決断をし、1次試験に合格するまでをお伝えしました。
今回は、いよいよ2次試験に向けての準備と合格まで、そしてその後についてお伝えします。
2次試験対策
Kさんが受けた入試の2次試験では、➀地理の試験、➁面接 がありました。二つに分けてその対策をお伝えします。
➀地理の試験対策
過去問を確認したところ、1問1答のような試験でした。そこで、過去問をひたすらやってもらい、できなかったところやわからないところを解説しました。高校までに習う地理の基本的なことが問われていたと記憶しています。
Kさんは一般受験をする予定はなく、センター試験(当時)の勉強もしていなかったので、地理の受験勉強をしていませんでした。そこで、山川出版社の『地理用語集』を用意してもらい、過去問に出てきた用語を必ず調べて理解するよう指導しました。それ以外の参考書や問題集は特にやりませんでした。
高2の授業でやったことが分かっていればできる問題だったので、過去問に出てきた内容を教科書・ノート、そして『地理用語集』で確認しながら、知識を定着させました。
➁面接対策
推薦入試等で一般的に聞かれることと、専門(地理)に関する想定される質問と答えをKさんに考えてもらいました。
一般的なことに関しては、担任の先生等に練習してもらうよう勧めました。私は地理に関する質問とその答え方、特にKさんが「任意で提出した添付書類」、つまり論文についての対策を重点的にやりました。
論文に関しては、これ以上聞くことがないくらい質問をして、それに対してKさんが一生懸命答えを考えて、スラスラ言えるまでひたすら練習しました。何度やったか記憶にないですが、不安がなくなるまで十分にやりました。
2次試験の様子、そして…
2次試験の翌日にKさんが報告しに来てくれました。地理の試験は分からない問題がいくつかあったそうですが、面接はうまくいったようでした。
面接については、こちらの予想通り、「任意の添付書類」である論文を中心に質問されたそうです。論文が良く書けているというお褒めの言葉をいただき、あとは楽しくお話しできたとのことでした。
そして、2週間後、試験の結果が届きました。
結果は・・・
見事合格です。
実は、この高校でM大学にAO入試で合格したのは、Kさんが初めてです。M大学は人気のある大学の一つでもあり、まさに快挙でした。
試験直後に必ずやっておくべきこと―復元の作成―
学校型選抜などの推薦入試は、一般入試とは違い、受験生が情報を集めることが簡単ではありません。そこで、受験した皆さんにぜひやっていただきたいのが、試験の復元の作成です。つまり、試験の問題や面接での質問事項をできるだけ詳細にメモをすることです。これは、後輩たちの大事な情報源であり、学校の財産になります。
復元を作成する際、以下のことをポイントに書くといいでしょう。面接の例で書きますね。
・面接の教室の模式図
・面接官の人数
・面接の時間
・質問事項
・(可能であれば)質問に対する自分の答え
面接に対する自分の答えを後輩に公開するのが恥ずかしいのであれば後悔しなくてもいいですが、自分でなんと答えたかを書き、進路指導等の先生に「非公開で」と言ってお渡しすると、対策が非常にしやすいと思います。合格した場合は、そのコツがわかるからです。
おわりに
Kさんは、8か月という短い期間で、本人の想定よりもぴったりの大学に合格することができました。大学では地理学を思いっきり学び、卒業後は、高校生の時から関心があった自然保護にも関係する木材関係の会社に就職し、充実した社会人生活を送っているようです。
大学附属の中高一貫校に通っている場合、すでに附属に進学するつもりでそれ以上のことは考えないかもしれません。でも、本当に自分が学びたいことが何かを見つめ、それがはっきりしたのであれば、チャレンジすることで自分にぴったりな道が拓けるのです。
それに気づくのは早いに越したことはないですが、高3でも間に合いますから、気づいた時点で全力でチャレンジすることを強くお勧めします。