2023.08.30

週7部活女子が国立大に一発合格した方法(3)受験編


本ページはプロモーションが含まれています

はじめに

 前回の記事では、週7部活女子が現役で国立大学に合格するために、どのような気づきから視点を変えて、自分にぴったりな志望校とレアな受験方法を探し当てたかをお伝えしました。
 今回の記事では、探し当てたレアな受験方法である公募推薦を使って、どのように合格を勝ち得たかをお伝えしたいと思います。

試験内容を把握し、指導を仰ぐ先生を決める

 

受験した国立大学の公募推薦は、以下の方法で行われました。

 ・1次試験:書類選考(志望理由書、調査書、推薦書)

 ・2次試験:小論文、口頭試問

 塾や予備校等に行っておらず、今のようにインターネットやSNSはなかったので、過去問などの情報を得ることがほぼ不可能。なので、高校の先生方が頼みの綱でした。

 実力以上の大学な上に特殊な入試方法だったので、しっかり対策する必要があり、どの先生にご指導いただくかを考えました。そこで、高校3年間でお世話になった思いつく限りの先生をリストアップし、結果的に以下のようにお願いしました。

・調査書・推薦書一式➝担任の先生

・志望理由書➝高1の時の国語(現代文)かつ進路指導主任の先生

・小論文対策➝高2の時の国語(古典)の先生

・口頭試問対策➝高2・高3の地理の先生

 どの先生も、私の無謀ともいえるチャレンジに戸惑いつつも、快諾してくださいました。ご指導いただく先生を内容ごとにすべて変えたのは、子どもながらに一人の先生に負担をかけるのは良くないと判断したからでしょう。

試験対策

(1)1次試験対策―志望理由書

 書類審査に合格しなければ2次試験が受けられません。志望理由書が決め手になると思ったので、これに情熱を注ぎました。

 私の場合、たとえば将来地理の教員になるなど、分かりやすい理由ではなかったので、うまく書けませんでした。進路指導主任の先生に「文章が下手だなあ」など言われながら、先生が私のやりたいことを熱心に聞いてくださり、何とか思いを言葉にしていきました。写真は、当時先生が添削してくださったものです。

志望理由書の原稿。先生がたくさん赤を入れてくださっています。

2次試験対策―➀小論文

 試験の中で最も大変だったのが小論文。受験を決めたのが試験の2ヶ月半ほど前と遅かったので、すぐに対策を始めました。

 過去問等も時間もなく、書き方もわからない。かといって、ご指導いただく先生に丸投げするわけにはいかない。そこで、新聞の社説等に対して自分の意見を論じる方法を思いつきました。50分間で800字で論じる試験だったので、それに合わせて書き、添削と指導をしていただきました。

 試験まで2ヶ月しかなかったので、1日1本書いても60本しか書けません。あまりよく覚えていないですが、その2ヶ月間は毎日1本以上書いていたと思います。その先生が本当に厳しくて、毎回泣きながら食らいついて書きました。あとで分かったのですが、その先生は私の志望校の出身で、すごく熱を入れて指導してくださいました。

小論文の練習で書いた原稿をファイリングしたもの。当時の新聞の社説なども挟まっていました。

 

小論文を書く中で分からない用語は、『現代用語の基礎知識』で調べ、意味などをノートにまとめながら理解を深めました。

 余談になりますが、実は去年(2022年)、『現代用語の基礎知識』に執筆させていただきました。自分が推薦入試のために勉強していたときの必需品に、まさか約30年後に執筆者になるとは。本当に感慨深かったです。

2次試験対策―➁口頭試問

 志望理由書と小論文をしつつ、一般受験の勉強もしていたので、口頭試問の準備は後回しになりました。本格的にやったのは、1次試験に合格してからです。一般的に推薦入試等で質問される事項について、自分で回答を考えてから、一人で話す練習、地理の先生をはじめとした先生方に何度か練習にお付き合いいただきました。

2次試験本番

 11月初旬に出願し、結果が2週間ほどで届いたと思います。合格している可能性は低いと思い気楽に開封したら、まさかの1次合格。本当に驚きました。

 すぐに高校に報告し、試験までの10日ほどの間は2次試験に向けて集中的に準備しました。

 迎えた2次試験本番。午前中に小論文。そのあと順番に口頭試問を行ったと思います。自分は家が近いほうだったので、最後から2番目でした。試験までずいぶん待機時間があったように思います。

 入試は2日間に分けて実施。初日が小論文。2日目が口頭試問。小論文なんと自分が練習した問題とほぼ一緒のもの。だったのです「練習したのが出るなんて、合格するしかない」と思いながら一生懸命書きました。

 口頭試問は30分ほどだったと思います。面接官が7人に対し受験者が1人で、人数の多さに圧倒されてしまいました。あまり答えにくいことは聞かれず、志望動機など練習したことに加えて、自分が通っている高校の市町村について、どんなことを知っているか聞かれて、少し戸惑った記憶があります。

口頭試問のために、質問に対する回答を書き留めていた。

合格発表

 小論文は練習した問題で書けたという手ごたえがあり、口頭試問も概ねできたので、結果に関わらず満足でした。入試の1週間後に期末試験があったので、試験が終わった日から受験モードに切り替えて結果を待ちました。

 2次試験の合格発表は期末試験の最終日。午前中に試験が終わったので、学校から一度家に帰って(自転車通学のため)、大学に見に行きました。

 私の受験番号は2番。2番目にあるかどうかだと思って掲示板を見たら、2番目のところに自分の番号がなかったのです。でもよーくみると、一番上に書いてあるではないですか!こうして奇跡的に合格することができました。

おわりに

 以上、週7部活女子が、国立大学に現役一発合格した体験をお伝えしました。一番の決め手は、実力以上の大学で想定していない入試方法でも、チャレンジしたことです。そして図々しくも先生たちに甘えたことです。

 「この恩は絶対に返す」と心に誓い、高校教員時代は生徒たちの推薦入試サポートに励んでいました。その話はまた別記事でご紹介しますね。

Contactご依頼 お問い合わせ

取材・講演・執筆などのご依頼や詳細に関しては、
こちらよりお問い合わせください